大人になっても

子どものころ、歯の治療が痛かったという記憶があったり、小さいころからむりやり親に歯医者さんに連れて行かれた経験のある人は、大人になっても歯科医院が苦手です。とはいえ、いまは虫歯があってもできるだけ削らない、抜かない治療が優先。音のように、痛い治療を行う歯医者はそうはありません。歯科医院側ももっと患者さんにリラックスしてもらえるよう、さまざまな工夫をこらしています。

 

ひとつは、麻酔をうまく使うことです。通常、保険診療で行う麻酔は、歯肉に注射針で打つ局所麻酔だけですが、恐怖心の強い患者さんはこれだけでも固くなってしまいます。そこで、ぬるだけの表面麻酔を積極的に使う歯科医が増えてきました。注射をする場所にあらかじめ表面麻酔をすると、いざ注射をしたときにその痛みを感じずに済みます。また、笑気麻酔を使う場合もあります。笑気麻酔は、鼻から笑気というガスを吸い込む方法で、アルコールで軽く酔っぱらったときのような状態にして緊張感を取ってくれます。笑気は吸うのをやめれば、すぐに元に戻るので、帰り道が危なくなるようなことはありません。

 

笑気ガスを供給するボンベを気にする人のために、床下配管にして、ボンベ自体は見えないようにする工夫をしている医院もあります。

 

また、ツボ刺激も効果的です。やり方は、手の親指と人さし指の又の部分にある合谷というツボを押すだけ、と簡単。スタッフが患者さんの手をとってツボを刺激してくれる医院もありますが、自分でやってももちろんかまいません。正しいツボの位置を見つけるコツは、押したときに痛みではなく、心地よさを感じることです。合谷を押しながら、注射をしてもらえば、痛みを軽減できます。ぜひ試してみてください。


このページの先頭へ戻る